The Consultation and Relational Empathy (CARE) Measure は、2004年にStewart W Mercer および英国グラスゴー大学・エディンバラ大学の研究チームによって作成された質問紙です。CARE Measureは10項目の質問から成り立ちます。それぞれの質問に1-5点、もしくは評価不能をマークしていくだけですので、手軽に取り組める質問紙です。

CARE Measureにより、臨床医と患者の間で1対1の面接が行われた後、診療で患者が感じた医師の共感を測定できます。歴史的には20世紀に医師の共感を測定するために多くの質問紙が作られてきました。しかし、そのほとんどは医師自身による評価もしくは、診察を観察している第三者が評価する質問紙でした。

CARE Measureは共感の受け手である患者が医師を評価するという特徴を持ちます。もともとは、プライマリ・ケア医の共感を評価するために発展してきましたが、今では看護師はじめ、その他の医療従事者の共感を測定することもできると言われています。

CARE Measureの著作権は、英語版および翻訳版(日本語版を含む)の全てについて、スコットランド政府を代理してStewart W Mercerが保有しています。よって許可のない改変・商用利用は、禁じられています。

2004年に英語版 CARE Measure が発表されてから、世界中でその翻訳版が作成されました。

当教室でも、日本語版 CARE Measure の開発に取り組んできました。2014年に、英語版 CARE Measure から日本語版 CARE Measure へ翻訳し、その信頼性・妥当性を明らかにしました (*1) 。

その後、信頼性のある結果を得るために何枚の CARE Measure を集めればいいかを明らかにしました (*2)。

日本語版 CARE Measure を使用した更なる共感の研究が期待されています。

日本語版 CARE Measure のダウンロード

以下のボタンより名古屋大学学術機関レポジトリにアクセスし、「日本語版 CARE Measure 質問紙 : 患者による医師の評価表」の J-CARE(110705)rev3 (108.54KB) のリンクをクリックしてください。

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利用規約

  • 著作権は Stewart W Mercer が有します。許可なき改変・商用利用を禁じます。
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  • 日本語版 CARE Measure を用いて研究報告を行う場合は、*1: Aomatsu M, et al., Fam Pract 2014.を引用してください。

FAQは The CARE Measure Website ( http://www.caremeasure.org/about.php ) を参考に作成しました。一部、日本語版に合わせて改変しています。


対象となる患者さんについて教えてください。

CARE Measureを依頼する患者さんは、コミュニケーション能力の重篤な低下がなく、認知機能障害がない成人を想定されています。CARE Measureはもともとはプライマリ・ケア領域における外来診療での患者さんを対象に作られました。そのため外来患者が最も適しています。しかし、最近では在宅診療においても使用できることがわかりました。一方、入院患者を対象には作られておらず、入院患者からの評価は現在のところ難しいとされています。


何枚の CARE Measure を集めれば1人の医師の共感を評価できたといえますか?

理想的には50人の患者から質問紙を集めることが望ましいです。当科の研究(*2)では10項目すべてに適切に回答した患者38人の評価があれば、1人の医師の共感を評価できることがわかりました。すべての回答に適切に答えた患者は80%程度(*1) でしたので、50人の患者からの収集が望ましいと考えられています。


CARE Measure をとるタイミングを教えてください。

対象となる患者さんは診療の後に CARE Measure を記載します。待合室で記載することが望ましいですが、自宅に帰ってから記載することもできます。患者さんが緊張しないように、研究者は同席しない方がよいでしょう。


CARE Measure 1枚を完成させるのに、患者さんはどれくらい時間が必要ですか?

1枚の CARE Measure を完成させるために必要な平均時間は約10分です。


CARE Measure は患者さんの負担になりませんか?

私たちの経験では、質問紙への依頼をするとほとんどの患者さんは回答をしてくれます。むしろ一番大きな障害は研究者側の問題です。臨床医は診療の後に CARE Measure を渡すことを忘れてしまいがちです。もしくは質問紙に答えることが患者に負担を与えてしまうのではないかと心配し、質問紙の配布を躊躇します。しかし、CARE Measure の質問紙に患者さんが答えることは、患者さんにとって、医師に対して共感に関するフィードバックをするという利点があります。


CARE Measure の平均点を教えてください。

私たちの先行研究では、参加した医師の平均の CARE Measure の得点は、50点満点中 38.8点でした。詳しい解析では、有効な回答を38人から集めた場合、CARE Measure 36点以下で有意に共感が低く、42点以上で有意に共感が高いといえます(*2)。

日本語版 CARE Measure 参考文献

(*1) Validity and reliability of the Japanese version of the CARE measure in a general medicine outpatient setting. Fam Pract. 2014 Feb;31(1):118-26.
Aomatsu M, Abe H, Abe K, Yasui H, Suzuki T, Sato J, Ban N, Mercer SW.
Fam Pract. 2014 Feb;31(1):118-26. doi: 10.1093/fampra/cmt053.
https://academic.oup.com/fampra/article/31/1/118/437171
日本語版 CARE Measure の開発に関する、原文の翻訳・信頼性・妥当性について明らかにした論文です。

(*2) How many patients are required to provide a high level of reliability in the Japanese version of the CARE Measure? A secondary analysis.
Matsuhisa T, Takahashi N, Aomatsu M, Takahashi K, Nishino J, Ban N, Mercer SW.
BMC Fam Pract. 2018 Aug 16;19(1):138. doi: 10.1186/s12875-018-0826-2.
https://bmcfampract.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12875-018-0826-2
日本語版 CARE Measure の使用方法に関する評価者間信頼性について明らかにした論文です。

青松 棟吉、高橋 弘明、小西 靖彦、石原 慎、清水 貴子、高橋 誠、中川 晋、望月 篤、安井 浩樹 , (*5) シリーズ:初期臨床研修と医学教育(第6回)教育の質の観点からの医師臨床研修制度の考察. 医学教育2018, 49(4):333-339.
[インターネットアップロード未]

名大総診のその他共感関連の研究について

(*3) Medical students' and residents' conceptual structure of empathy: a qualitative study.
Aomatsu M, Otani T, Tanaka A, Ban N, van Dalen J
Educ Health(Abingdon). 2013 Jan-Apr;26(1):4-8. doi: 10.4103/1357-6283.112793.
http://www.educationforhealth.net/article.asp?issn=1357-6283;year=2013(...)Aomatsu
学生から初期研修医になることで、共感がどう変化するか明らかにした質的研究の論文です。

(*4) Listen to the outpatient: qualitative explanatory study on medical students' recognition of outpatients' narratives in combined ambulatory clerkship and peer role-play.
Takahashi N, Aomatsu M, Saiki T, Otani T, Ban N.
BMC Med Educ.
2018 Oct 3;18(1):229. doi: 10.1186/s12909-018-1336-6.
https://bmcmededuc.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12909-018-1336-6
外来医療面接実習と、医療面接ピア・ロールプレイ実習を経験した医学生が、外来患者の語りについて、入院患者や模擬患者の語りとは異なると考えていることを明らかにした質的研究の論文です。

青松 棟吉 , (*6) 懸田賞受賞者によるリレー・エッセイ : 平成27年度受賞 (第22号), 医学教育, 2016, 47 巻, 5 号, p. 322-325, 公開日 2017/08/10, Online ISSN 2185-0453, Print ISSN 0386-9644,
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/47/5/47_322/_article/-char/ja/

名古屋大学医学部附属病院 総合診療科
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/general/

〒466-8560 名古屋市昭和区鶴舞町65番地
TEL 052-741-2111(代表)

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名古屋大学 地域医療教育学寄附講座
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/ecom/

責任者
高橋 徳幸(たかはし・のりゆき)

【プロジェクトメンバー】
松久貴晴(ホームページ作成)高橋徳幸青松棟吉伴信太郎Stewart W Mercer

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